釘と屏風

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”釘と屏風”は3人組の文芸ユニットです

【雑記】オンライン時々オフラインー川上未映子『ヘヴン』を思い出したり読んだり

オンライン時々オフライン

目なんて、ただの目だよ。そんなことで大事なものが失われたり損なわれたりなんてしないわよ。残るものはなにしたって残るし、残らないものはなにしたって残らないんだから

川上未映子『ヘヴン』講談社文庫2012.5

 

ヘヴン (講談社文庫)

ヘヴン (講談社文庫)

 

 

……川上未映子氏の作品を意識的に手に取って読んだことはなかったが、まぁ、結構読んでいる。『愛の夢とか』以前の本は全て読んでいるのではないだろうか。自身の根っこに氏の作品があるかと言えば別だが、結構好きな作家なのだろう。やや思弁が過ぎる気もするが『ヘヴン』なんかは結構好きだ。高校の頃、斜視の友人がいたが、私が『ヘヴン』を読んだのもその頃であった。『ヘヴン』は斜視の男の子と「汚い」と侮蔑の眼を向けられる女の子が虐められる話なのだが、中学生特有のヒロイックな欲望が全面に押し出されていて読んでいるとどこか懐かしい気持ちになる。自分の「特別さ」が唯一のアイデンティティであった頃のことを、恥ずかしくも思い出すのだ。面白い本なので是非読んで欲しい。『ウィステリアの女たち』は途中で投げ出した。阿部公房の『箱男』を思い出して欲しい。「箱男」を「人間」は無視し、そこにないものとする。しかしいざ発見し視野に入れるとどうなるか。発砲され、撃ち殺されても何も言えない。彼らは初めから異なる生き物として互いを認知している。分断されているのだ。はて、どこかで聞いた話ですね。以下、本題……

 

箱男 (新潮文庫)

箱男 (新潮文庫)

 

オンライン飲み会や読書会に参加したするなどしたりしたがオフラインではばりばり働いていた

 

新型コロナウイルスの感染防止の為、幾つかのイベントや中止となり、代わりオンライン上で開催されることが多くなった。今尚対面においては(6/8)、表立って飲み会やイベントの集客は行われていない。弊社の飲み会もなくなってしまった。畜生。

しかしまぁ、その代わりにオンライン系のイベントが急激に増え、私もまた「なんやなんや」と言った具合に幾つかのイベントに参加した。今後、こんなにオンラインでの催し毎に参加することもないだろう、ということで記念碑的に感想をまとめておきたい。楽しかった。

 

オンライン飲み会

本記事の為にここ数ヶ月に開催したオンライン飲み会を振り返ってみたが、なんと私は一度も誘われていない。驚きである。大抵は酔っぱらった私が、偶然連絡のあった友人を誘ってLINEやらZOOMで開催している気がする。気がする、というのは大体オンラインが故に酒は居酒屋よりも安く手に入る。それなりに良い酒を買ってもたが知れている。それが故に飲みすぎてしまうのだ。だから終わり(=フェーアウト)は寝落ちと決まっている。正直、ほとんど覚えていない。だから書くこともない。今のところ、誰からもブロックや着信許否をされていないところを見ると、楽しく終わったのだろう。以上。f:id:kugitobyoubu:20200608234233j:image

 

 

オンラインビブリオバトル

オンラインビブリオバトルに2回ほど参加した。一度目は、テーマフリーで好きな本を紹介する会で、2度目は小説を紹介する会であった。寝起きで髭も剃らず髪も整えずに参加したが、まぁ別にオフラインで身だしなみに気を使っているかと問われるかと言われれば微妙なのでオンラインだからと言って緩い気持ちで参加したかは分からない。ビデオをオフにして参加するば良いものを、私は常にビデオオンであった。人に注目されることなどほとんどないので「見られたい」という欲望が無意識の内に現れているのかと思ったりしたが、穿ちすぎだろう。あと、人を笑わせようと思ってプレゼンをした時にスベった気がして恥ずかしかった。実際に滑っていたのかもしれない。5分間スベっていると思うと辛いが、そもそもそういう場ではないので、自粛せよと言いたい。以上。

 

(1回目)

 

灰色のダイエットコカコーラ (星海社文庫)

灰色のダイエットコカコーラ (星海社文庫)

  • 作者:佐藤 友哉
  • 発売日: 2013/11/08
  • メディア: 文庫
 

 (2回目)

 

神様 (中公文庫)

神様 (中公文庫)

  • 作者:川上 弘美
  • 発売日: 2001/10/01
  • メディア: 文庫
 

 

オンライン読書会

酒を飲みながら参加している人がいた。

テーマフリーで積読本を紹介する会に参加した。読んだ本については口を固く閉ざすこと黙阿弥のごとしであったが積んでいる本に対しては流暢とまではいかなくとも、笑顔絶やさずに紹介出来たのではないかと思う。これは本とは本来積むものであり、積読こそが本当の読書であり、そうあるべきだ!という私の26年に及ぶ読書人生から導き出された回答なのではな……

 

積読読書会)

 

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

 

オフラインでの出来事

 

仕事をしていた。自粛などは一度もなかった。高い買い物や副職をはじめるなどした。

 

おわりに

 

いろんな会に参加したんだよ、いいだろうという話をしたかったが、人に自慢できることなど一つもなかった。嗚呼。

そもそも、オンラインブームの前からツイキャスやら何やらを通して酒を飲んだり小説の話をしていた気もする。

twitcasting.tv

 

これすごい楽しかった。ありがとうございました。

そう、楽しかった。これに尽きる。ビブリオバトルや読書会もいつも主催してくださってありがとうございます。

次は我々釘と屏風による合評会もあるので、興味のある方は是非参加してくださいませ。

 

それじゃあ、また。

写真は最近食べたラーメンです。

f:id:kugitobyoubu:20200608233103j:image

阿波しらさぎ文学賞の原稿が終わりません。

 

(文・左部)