釘と屏風

釘と屏風

”釘と屏風”は3人組の文芸ユニットです

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】馬場広大「みかんの木」(左部)

馬場広大「みかんの木」 港町へ出た。マルイチの前を通った。さっきまで奈々がレジを打っていた店だ。何のことはない、海と山を行ったり来たりしているだけだった。この島にはそれしかなかった。昔、映画の撮影に来た女優が「何もなくて退屈だ」と騒いだとき…

【雑記】図書館のすヽめ・後編ー村上春樹『海辺のカフカ』が懐かしく思い出される今日。(左部)

「書架には自由に入っていいよ。閲覧したい本があれば、そのまま閲覧室に持っていくことができる。ただし赤いシールがついている貴重な書籍については、その都度閲覧請求カードを書いてもらう。そちらの右手の資料室にはカード式の索引と、検索用のコンピュ…

【雑記】図書館のすヽめ・前編-寺山修司なんかを引っ張り出してみました。(左部)

ユリシーズの時代には、肉体が見事だというだけで英雄になれた。 だが現代では見事な肉体の持主は労働者になるか自衛隊に入るしかなくなってしまった。 そして、君臨しているのは貧弱な肉体とゆたかな頭脳を持ったインテリという種族である。病める叡智のな…

【書評】保坂和志『考える練習』を読んで色々と考えているフリをする―夏目漱石の『草枕』って保坂さんっぽいんじゃない?(左部)

「西洋の本ですか、むずかしい事が書いてあるんでしょうね」 「なあに」 「じゃ何が書いてあるんです」 「そうですね。実はわたしにも、よく分からないんです」 「ホホホホ。それで御勉強なの」 「勉強じゃありません。只机の上へ、こう開けて、開いた所をい…

【雑記】京都文学フリマ(貝柱)

どうも、貝柱です。 名前には、メンバーを繋ぎとめる存在になりたい。そういう願いが込められています。 嘘です。 2019年1月20日に行われた「第三回京都文学フリマ」に行ってきたので、その記録を書きました。 ……随分と昔の事のように感じます。