釘と屏風

釘と屏風

”釘と屏風”は3人組の文芸ユニットです

2019-01-01から1年間の記事一覧

【雑記】2019年振り返り―労働と生活と読書と酒

2019年振り返り―労働と生活と読書と酒 2019年も末ということで、そろそろしみじみと今年一年を振り返る人も増えて来ますね。 私もその一人です。10年代の最後の1年をどのように過ごしたのか、振り返ってみたいと思います。皆さんも、振り返りの参考にしてみ…

【小説】左部右人「シュークリームの季節」「墓標の羊、無理解のロンド」ー5~6年前に書いた小説です。村上春樹氏のことが、好きだったんだな。

左部右人「シュークリームの季節」「墓標の羊、無理解のロンド」ー5~6年前に書いた小説です。村上春樹氏のことが、好きだったんだなぁ。 「内気で傲慢なだけなんだ」と僕はワインをグラスに注ぎながら渡辺昇に向って説明した。「内気と傲慢の折り返し運転…

【音楽】私はART-SCHOOLに通ってました。 ー10代の頃に出会った音楽と一緒に成長してる感ARIMASENKA?

私はART-SCHOOLに通ってました。 ー10代の頃に出会った音楽と一緒に成長してる感ARIMASENKA? 心があるなら飛べるかい? 生まれたばかりの世界へ 俺にはまだ早すぎるな 俺にはまだ早すぎるよ ART-SCHOOL「SKIRT」『LOVE/HATE』作詞・作曲 木下理樹 Vo&Gt.木…

【詩】2018.8-2019.5-ネットに放った言葉の記録……とかSOREっぽくキメてMIる。YOI詩集とか(左部)

2018.8-2019.5-ネットに放った言葉の記録 左部右人です。 5月も終わり、6月に入りましたね。梅雨時です。私は長崎と鹿児島と北海道の6月しか知りませんが、九州は常時びっしょびしょです。対して北海道は平常運転、さして雨が降り続ける、ということもなか…

【書評】馬場広大「みかんの木」(左部)

馬場広大「みかんの木」 港町へ出た。マルイチの前を通った。さっきまで奈々がレジを打っていた店だ。何のことはない、海と山を行ったり来たりしているだけだった。この島にはそれしかなかった。昔、映画の撮影に来た女優が「何もなくて退屈だ」と騒いだとき…

【雑記】図書館のすヽめ・後編ー村上春樹『海辺のカフカ』が懐かしく思い出される今日。(左部)

「書架には自由に入っていいよ。閲覧したい本があれば、そのまま閲覧室に持っていくことができる。ただし赤いシールがついている貴重な書籍については、その都度閲覧請求カードを書いてもらう。そちらの右手の資料室にはカード式の索引と、検索用のコンピュ…

【雑記】図書館のすヽめ・前編-寺山修司なんかを引っ張り出してみました。(左部)

ユリシーズの時代には、肉体が見事だというだけで英雄になれた。 だが現代では見事な肉体の持主は労働者になるか自衛隊に入るしかなくなってしまった。 そして、君臨しているのは貧弱な肉体とゆたかな頭脳を持ったインテリという種族である。病める叡智のな…

【書評】保坂和志『考える練習』を読んで色々と考えているフリをする―夏目漱石の『草枕』って保坂さんっぽいんじゃない?(左部)

「西洋の本ですか、むずかしい事が書いてあるんでしょうね」 「なあに」 「じゃ何が書いてあるんです」 「そうですね。実はわたしにも、よく分からないんです」 「ホホホホ。それで御勉強なの」 「勉強じゃありません。只机の上へ、こう開けて、開いた所をい…

【雑記】京都文学フリマ(貝柱)

どうも、貝柱です。 名前には、メンバーを繋ぎとめる存在になりたい。そういう願いが込められています。 嘘です。 2019年1月20日に行われた「第三回京都文学フリマ」に行ってきたので、その記録を書きました。 ……随分と昔の事のように感じます。

【雑記】鹿児島モダン文学YAKATAで詩のワークショップー詩人の三角みづ紀氏とクラウン・ペペ氏

鹿児島モダン文学YAKATAで詩のワークショップー詩人の三角みづ紀氏とパフォーマーのクラウン・ペペ氏 キッチンのテーブルに座り とろけた蕪を胃におさめて お母さんみたいに 彼を抱きしめたい 生まれたての子が お腹のスープから 出てくるときみたいに。 三…

【雑記】ビブリオバトルに行ったーKENTOSYO、中原昌也『名もなき孤児たちの墓』を久々に読んだ新刊おめでとうございます。(左部)

ビブリオバトルに行ったーKENTOSYO、中原昌也『名もなき孤児たちの墓』を久々に読んだ新刊おめでとうございます。 表情には出さずとも内面では怒りに打ち震えていた雅治も、再び『月刊BOMBER』七月号の表紙を見つめることによって、そういった我々の背後に迫…

【詩】左部右人「産声」ー『人間の肥やし』より

左部右人「産声」ー『人間の肥やし』より 私ごとで恐縮ですが、この冬に詩集を編みました。何らかのテーマで編んだのは初です。というか、詩集を編んだのが初でした。某文学賞に応募する為に急遽制作したのですが、残念ながら候補に選ばれることはありません…

【音楽】バズマザーズに関する覚書―私的なメモ。

バズマザーズに関する覚書―私的なメモ 形ある物の特権は消えてしまえるって事 キレイさっぱりとね 人工知能の反乱で世界はディストピア、 そうゆうの俺ちっともピンと来ない バズマザーズ『ムスカイボリタンテス』(2018)より 「Good by my JAM」 作詞作曲・…

【雑記】芥川賞の過ごし方―祭・MATSURIー実家に綿矢りさ『蹴りたい背中』があったので懐かしい。好きな作家の紹介とか。

さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る。細長く、細長く。紙を裂く耳鳴りな音は、孤独の音を消してくれる。気怠げに見せてくれたりもするしね。葉…

【雑記】紀行文- to ISE of 三重に行った。ウルフの『ダロウェイ夫人』を旅のお供に(左部)

残るは窓だ。ブルームズべリの下宿屋の大きな窓を開け、そこから身を投げる。――なんとありきたりで、面倒で、メロドラマみたいな行為であることか。連中がこれをいくら悲劇と呼ぼうが、ぼくはそう思わず、レーツィアも思わない(妻はぼくの味方だ)。ホーム…

【漫画】山田花子『神の悪フザケ』(左部)

神の悪フザケ 作者: 山田花子 出版社/メーカー: 青林堂 発売日: 1995/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 概要『神の悪フザケ』 自信がないので人にはっきりものを言うことが出来ない。それでいて、人の目ばかりを気にしている。頼みご…

【ゲーム】FFXVネタバレ無し感想(貝柱)

どうも、貝柱です。(2019年1月5日現在) 寒いですね。 発売から2年以上が経ちましたが、つい先ほどFFXVのメインストーリーをクリアしました。 今回はその感想です。