【活動予定】第2回:創作合評会 2020年3月8日
第2回:創作合評会 2020年3月8日
こんにちは、釘と屏風です。
合評会開催のご案内です。
場所:鹿児島県立図書館
日時:3月8日13時~17時頃
現在、7名での開催を予定しています。
今回は5作の小説を対象として合評会を行います。
懇親会は17時30分ごろから始める予定です。(会費は3000円)
皆様、当日は宜しくお願い致します。
鹿児島県立図書館
【書評】栗下直也『人生で大切なことは泥酔に学んだ』-二日酔いの頭でふとこの本のことを思い出してそんなに読み込んでいない気もするけどいい本だったのでまた読みます頭痛い(左部)
栗下直也『人生で大切なことは泥酔に学んだ』-二日酔いの頭でふとこの本のことを思い出してそんなに読み込んでいない気もするけどいい本だったのでまた読みます頭痛い(左部)
呑むべしや、今夜は、死ぬほど呑むべしや、というような工合いで、一刻も早く酔っぱらいたく、どんどん呑んだ。(中略)眼をさましてすぐ家の者にたずねた。「何か、失敗なかったかね。失敗しなかったかね。わるいこと言わなかったかね。」
失敗は無いようでした、という家の者の答えを聞き、よかった、と胸を撫でた。
はじめに
酒が好きだ……いいや、嫌いだ。嫌いだけれども、飲むのだ。やっぱり好きなのではないか。いやいや、そんなことはない。酒は嫌いだ。頭が痛むは財布の中身は寂しくなるは時計はなくすし友達もいなくなるし恋人も去っていく、、、嗚呼。まぁ、でも、飲むのだ。飲んでしまうものは仕方がない。そう割り切って平謝りを続けるしかない。
『人生で大切なことは泥酔に学んだ』の著者である栗下直也氏は本著によると経済記者らしい。ツイッターでこの本の紹介記事を読み、書店に走り手に取った。書き出しはこうだ。
気持ちが悪くて、起きられない。本書を手に取った人は少なからず、その経験者ではないだろうか。前の晩に二軒目、三軒目に行かなければ、いや、最後の一杯が余計だったか。そんなことを今更、寝床で悔いても問題は解決しない。
全くである。以下、雑感
書評、感想。
「偉人の泥酔ぶりから、処世術を学ぼう」というのが本書のコンセプトのようだ。なるほど、目次を読むと「通勤篇」「出世篇」のように幾つかの項目があり、「どうしても電車に乗れなかったら」などと、その状況に応じて偉人のエピソードを交得て紹介している。
例えば、太宰治であれば、「お金がなくても、呑んでしまったら」と題されている。会計の時、太宰と友人の檀一雄は金を払うことが出来ない。太宰は作家の菊池寛に金を借りに行ってしまい、その間、檀一雄が一人太宰の泊まっていた宿で足止めをくらってしまう、というエピソードが紹介されている。
偉人にまつわるエピソードを著者のエピソード(これがまた面白い)と織り交ぜながら面白おかしく(といっても、ただ事実を書いているだけなのだけど)語っていくというのがこの本のスタイルだ。
で、肝心の「処世術」なのだが、、、なんと書かれていない!
これがこの本の良さだと思うのだが、エピソードの一つ一つから「まっ、いろんな失敗したけどしょうがないよね」と泥酔から開き直った時の、あの晴れやかな感覚が呼び起こされる。
作者は語る。
時代が違うといえばそれまでだが、彼らの行動は当時でも問題になっている。人は欠点があろうが、少しばかり失敗しようがやり直せるのだ。本人の前向きな姿勢と周囲の少しばかりの寛容な目があれば。お酒という題材を扱ったことには賛否があるかもしれないが、本書の本質はそこにある。
おわりに
朝起きてラインや電話の履歴、はたまたTwitterの呟きを見返すことが多い。泥酔明けである。酒を飲みすぎて仕事を休んだ日もある。それでも「悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない。」のだ。
酒席ではしゃぎ、絶縁を言い渡されたことも少なくない。未熟な私は酒の所為にした訳だが、それが私の本質なのである。
開き直ってる訳ではなく、無限の反省、長文の謝罪文、空っぽの財布、失われた時計、失われた信頼、失われたetc、、、、、、それらを経て現在がある。
偉人が偉人たる理由は功績を残しているからだ。どれだけ失敗をしても偉業を成すことが出来るのだということを胸に、今日も二日酔いを超えていきたい。
スナックではしゃいで殴られたことも、路上で寝ていた日のことも他人の部屋に間違えて入ったこともあった。それでも私と仲良くしてくれる人がいるという一つの事実に感謝をしながら、頑張って生きていこうと思いましたありがとうございます。
良い本でした。
私は他人の失敗を嗤わない貶さない貶めない。
頭が痛いです。ではでは。
文・左部右人(@bungei_pops)
【映画】2月に観た映画を紹介!(貝柱)
こんばんは!
私は映画をよく観るほうで、amazonプライム、ネットフリックス、U-ネクストの3つの配信サービスに加入しています。
観たいと思った映画は、だいたい観れます。
何を観たかと言う記録的な意味合いもこめて、観た映画を紹介したいと思います。
皆さんに観ていただきたいので、ネタバレ無しです。
【雑記】2019年振り返り―労働と生活と読書と酒
2019年振り返り―労働と生活と読書と酒
2019年も末ということで、そろそろしみじみと今年一年を振り返る人も増えて来ますね。
私もその一人です。10年代の最後の1年をどのように過ごしたのか、振り返ってみたいと思います。皆さんも、振り返りの参考にしてみてください。では
2019年の左部右人
1月
・肉体労働をしていた
2月
・肉体労働をしていた
3月
・IT企業で働き始める
4月
・覚えていない
5月
・疲労していた
6月
・疲労していた
・借金完済
7月
・疲労していた
8月
・熊本に行く
・文学極道にて「めざめ」が7月度次点佳作に選ばれる
・B-REVIEWの公式キャスにゲスト出演
9月
・元気出る
・文学極道にて拙作「私たちの小さな戦争」が8月度月間優良賞に選出される
10月
・文学フリマ福岡2019参加
・ナマ・イキボイス鹿児島アートマーケット参加
➡『赫赫参号』『別冊赫赫 列車と手紙』を発刊
11月
・佐世保バーガーを食べる
・借金を作る
・B-REVIE月間賞の選考委員を務める
12月
・小森陽一の朗読を聞く
・会社の忘年会で幹事をして嫌われる
・B-REVIE月間賞の選考委員を務める
・文学極道にて拙作「絶景」が11月度月間優良作品に選出される
総括--ひどい一年だった
……とまあ、一年を振り返った。他にも色々あったが、大事なことほど割愛するのが、美しい自分語りというものではないだろうか。
記事のタイトルに「読書」と銘打っているが、今年はほとんど本を読んでいない。ああ、びっくりだ。そんな年もある。嗚呼。ということで来年は、「戦闘、開始」ってことでたくさん公募に送ろう、では皆様、良いお年を!!
わたしゃあ、飲むぞ、げっへへへ。
【小説】左部右人「シュークリームの季節」「墓標の羊、無理解のロンド」ー5~6年前に書いた小説です。村上春樹氏のことが、好きだったんだな。
左部右人「シュークリームの季節」「墓標の羊、無理解のロンド」ー5~6年前に書いた小説です。村上春樹氏のことが、好きだったんだなぁ。
「内気で傲慢なだけなんだ」と僕はワインをグラスに注ぎながら渡辺昇に向って説明した。「内気と傲慢の折り返し運転をしてるんだよ」
「わかるような気はします」と渡辺昇は肯きながら言った。「でも一人になったら―つまり彼女と僕が結婚しちゃったらということだけど―やはりお兄さんも誰かと結婚したいと思うようになるんじゃないですか?」
「そうかもしれない」と僕は言った。
「本当に?」と妹が僕に訊いた。「本当にそう思うんなら私の友だちに良い子がいるから紹介してあげてもいいわよ」
「そのときになったらね」と僕は言った。「今はまだ危険すぎる」
村上春樹「ファミリー・アフェア」『パン屋再襲撃』講談社文庫、1989
小説って結構面白い
こんにちは、左部右人(@bungei_pops)です。
この文章は8月12日に鹿児島の自宅で書かれています。
最近、何をやるにもやる気が出ず、だらだらとお酒を飲んでTwitterを見て友人に電話をしながら日々を過ごしておりました。元来、私は小説が好きで、不出来ながら自ら執筆などもしていたのですが、その小説も、7月に入った頃からほとんど読まなく(書かなく)なってしまいました。小説を書こうと思っている人間が小説を読まないだなんてと~んでもない話です。インプットがなければ面白い小説は書けません。
で、「こりゃあ、困ったぞ」ということで、小説をちゃんと読もうと、思いを新たにしたのでありまして、昔読んだ短編とか読んであの頃のことを思い出そう、と本棚から取り出したのが村上春樹。
それでまあ、ペラペラ読んでるとまあ、ゲラゲラ笑けてきましたので、ページも進む進む。徐々に他の小説も読めるようになってきたのです。
最近、春樹氏が文芸誌に結構な頻度で登場していたこともあり(珍しいことなのです。荒川洋治という詩人は『文芸時評という感想』の中で「村上春樹や大江健三郎もみんなと一緒に(文芸誌で=左部注)書いて欲しい」といったことをかつて書いていましたが、まあ、それ位登場する頻度が少なかったのです)、手に取ったのですが、まあよかった。
去年色々問題になった批評家の渡部直己氏は、村上龍『5分後の世界』の文庫版の解説(これまた話題になった幻冬舎文庫)の中で、「物語」(だったはず)を①「小説」と②「読物」に分類して自身の「小説論」(=「物語論」とした方が正確?)を展開しておりました。
す~ごく簡略化して言うと
①「読物」=面白いけど、別に読んだ後私たちの人格にはなんらの影響も与えない「物語」
②「小説」=読む前と読み終わった後では、その後の生き方に影響を与える「物語」
というマッチョな分類を渡部氏は行ったのです。で、前者の「読物」として村上春樹作品を。後者の「小説」を村上龍作品を挙げていたのです。
上の前提の下に続けますが、国文学者の斎藤理生氏は読書の方法は大きく分けて二つあると言います。
Ⅰ.ベッドに寝転んでゲラゲラ笑って読む
Ⅱ.机に向かってカッチリ読む
で、多分私はそう短くない間②をⅡの方法で読んでいたと思うんですね。そりゃあ、疲れますね。
だからまあ、①の村上春樹作品をⅠの方法で読んでいる今、まあぼちぼち読書が出来るようになっているというわけなのです。本気で読むのではなく、暇つぶし~程度に読むってことですかね。違う?
渡部直己氏の分類の賛否や正確さは置いといて、重い話ばかりカッチリ読んでいては、やっぱり疲れますよね。長く続けていく為には、続けるための努力も必要なのではないでしょうか、ということをこの文章を書きながら思ったものでした。
どっちの読書も素敵なものですが。
その時々の自分に合った本を、選んでいきたいものですね。適当な結びですが、ブログなので許してくださいね。では。
以下、昔書いた散文です↓
墓標の羊、無理解のロンド
シュークリームの季節
・村上春樹を参考にしました。結構クサイです。
お暇な方は、是非に。
【音楽】私はART-SCHOOLに通ってました。 ー10代の頃に出会った音楽と一緒に成長してる感ARIMASENKA?
私はART-SCHOOLに通ってました。 ー10代の頃に出会った音楽と一緒に成長してる感ARIMASENKA?
心があるなら飛べるかい? 生まれたばかりの世界へ
俺にはまだ早すぎるな 俺にはまだ早すぎるよ
ART-SCHOOL「SKIRT」『LOVE/HATE』作詞・作曲 木下理樹
Vo&Gt.木下理樹
Dr.桜井雄一(現・LUNKHEAD)
ART-SCHOOL
皆さん、ART-SCHOOLをご存じだろうか。
……ボーカルにして2019年現在唯一のオリジナルメンバーである木下理樹を筆頭に結成したロックバンド、それがART-SCHOOL。
年を経る毎に方向性を変え、時に呆れさせながらもファンを掴んで離さない、魅力的なバンドであるART-SCHOOL。私はもう5回程ライブに行った。少ないかもしれない。通う度にルックスからメンバーから曲調まで変化しているバンドだ。紹介していきたい。
ART-SCHOOL第一期
こちらはART-SCHOOLの1stフルアルバムからの一曲だ。全体を通してシンプルな構成となっている。ちなみにこの映像は、ART-SCHOOL第一期のラストライブ。
……人生で初めて聴いたART-SCHOOLがこの「SAD MACHINE」だった。初期の映像を、有象無象の潜むYOUTUBEの海から探し出した私は幸福だろう。現在のJ-ROCKシーンからは考えられないシンプルすぎる構造。ガシガシとノイズを効かせたギターを弾いている辺りが痺れる。歌声の切実さもひしと伝わってくる。タイトル、「SAD MACHINE」だぜ。ダサいのかイケてるのかも分からない。いや、ダサいか。歌詞を少しだけ引用。
君は僕を殺す「まるで機械みたいな笑顔ね」
心閉じたままで 愛したいともがいて
ART-SCHOOL「サッドマシーン」『 Requiem for Innocence』作詞・作曲、木下理樹
青い。青臭い。そんな歌詞であるが、思春期の頃、この青さを心に抱いて生きていた人も多かったのではないだろうか。ちなみに、この曲が発表された頃、私は8歳だった。彼らと共に時間を過ごした訳ではないが、18歳になった私にも感じ入るところはあった。今でもこの曲で歌われてるような寂寥とした感情に囚われることがある。
- アーティスト: ART-SCHOOL
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/11/27
- メディア: CD
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この頃の編成は
Vo&Gt.木下理樹
Dr.桜井雄一(現・LUNKHEAD)
ART-SCHOOOL第2期
好きなアーティストがいたら楽器を手にするのが人間の常だろう。私はaikoファンだったこともありキーボードを弾き始めた。キーボードの難しさに堪え難きを感じていた頃、ART-SCHOOLに出会い、ロックに目覚めた。安いギターを買う為の費用を牛丼屋の賃労働で得た金銭から購入した。アンプとシールドこみで2万くらいだったろうか。こちら、メンバー編成を変えてから発表された楽曲。
木下理樹の書く詩には人間の弱さが書かれている。人間の欲望や弱さをこれでもかと言うくらい歌い上げる。歌詞は引用しない。是非聴いてみていただきたい。
私は自分の弱さを見せつけられたような気分になる。
この頃の構成は、
Vo&Gt.木下理樹
Gt.戸高賢史
Ba.宇野剛史
Dr.桜井雄一
ART-SCHOOL第3期
初期メンバーの一人である、ドラムの桜井が脱退した。それでもバンドは続く。
KILLING ME SOFTLY - ART-SCHOOL (no lyrics)
ファンク。ファンク。ファンク。グッドメロディ。そうか木下、こんな曲もかけるのか、といった具合である。このころ、イギリスの某バンドをパクったとかパクッてないとかで色々と叩かれたりもした。構成の凝った曲が多い。
この頃の構成は、
Vo&Gt.木下理樹
Ba.宇野剛史
Dr.鈴木浩之
ART-SCHOOL 現在
ファンク期から現在まで、上記以外にも色々な変遷があった。ボーカルの声ががらっがらに枯れたる状態でアルバムを録ったり、ラップやったりしてた。正直、どっちのアルバムも好きじゃないが、よく聴く。音楽だけでなく、ART-SCHOOLファンの多くは、バンドの苦悩さえ、歌詞や曲調の変化感じ取っているように思う。こんな音楽の聴き方は感傷的に過ぎるだろうか? そうかもしれない。ART-SCHOOLは、かれこれ20年近く続いているバンドだ。オリジナルメンバーはフロントマンの木下理樹ただ1人だが、それでもバンドは続いている。
木下理樹という一人の人間が、弱さや苦悩を晒しながら試行錯誤を重ねた結果として、今のART-SCHOOLの楽曲たちがある。
一人の人間の苦悩と、それでも良く生き続けようとする意思がART-SCHOOLを形作っている。ファンが年を取るように、ART-SCHOOLも年をとる。
……10代の頃に出会ったバンドって、一緒に成長してる感を味わえたりするよね、って事が書きたかった記事でした。
ART-SCHOOL「OK & GO」MUSIC VIDEO
幼い頃に 夢見ていた
大人になって 家庭を持ち
キャッチボールとかしたいな
笑えるだろ? たった それだけだったOK & GO
OK & LET'S GO
ART-SCHOOL「OK&GO」『IN COLORS』作詞作曲、木下理樹
私たちは幸福になるために産まれてきました。どのように生きるのが自分にとって幸せなのか、皆さん分かりますか? 私は分かりません。色んな選択の果てに、幸福を見つけてゆきたいですねぇ
お読みいただき、ありがとうございました。音楽を聴くと、優しい気持ちになりますねぇ。今日も1日お疲れ様でした。お休みなさい。おはようございます。今日も一日もラララララ。
文・左部